fc2ブログ
2016-09-06

平成28年度9月号(第61号)

冷房のない生活をしばらくしていたことがります。地獄でした。現在鉄筋コンクリートの4階に住んでいますが、ベランダなどが無いために、エアコンを設置するにはエアコン代のほかに50万円位の足場代が必要だといわれた為です。数年我慢しましたが、鉄筋コンクリートというのは、熱容量が大きく、夜になってもいつまでもポカポカと、たまらなく暑いのです。足場を組んでからどのような作業をするか聞いてみたところ、屋上から降ろしたパイプを外から通すだけで、作業としては45秒位ですとのことです。耐えられなくなった僕は東京に行き、当時最新式のブランコ作業高所用具を一式講習付きで買ってきました。30万円ほどでした。テレビなどでは見たことがあるかもしれませんが、ロープに小さなブランコと呼ばれる板をつけて、それに座って体一つでぶら下がるアホな道具です。講習を受け、安全確保も万全で脚立よりも格段に事故が少ない、現実にはとても安全な作業なのですが、如何せん見た目は最悪です。人間なんかちっぽけだなということを、立体的かつ視覚的に解り易く表現してくれます。屋上から身を乗り出しロープに荷重がかかるまで手でぶら下がる工程は、何度降りても慣れません。荷重が掛からなかったら、腕力のみで戻らなければなりません。作業中にロープのたるみが伸びて、どうしても突然5㎝くらい下がる時があるのですが、どっか口では無い所から「の!」みたいな声が出ます。何はともあれ、とりあえず命を懸けてエアコンを設置したわけですが、実際にエアコンを設置してみると、あまり使いません。気付いたのですが、エアコンがあるのに付けないで団扇などで過ごすのは風流ですが、エアコンが無くて暑さの中のたうち回るのは、全く風流ではありません。つまりうちの場合はエアコンを設置するだけでスイッチのオンオフにかかわらず過ごしやすくなりました。先日は食器洗浄機が壊れました。夕食の食器洗いは半分僕の係です。この世の終わりだと思いました。アドダミダと思いました。一刻も早く買わなければ家族が猫ごと全滅すると思いました。明日電気屋さんが開くまでどうやって耐えようかと思いました。溜まった洗い物の前で、どうしようどうしようと狼狽していると、嫁が「仕方ないから手で洗うか」と言いました。反射的に「どうぞ宜しくお願い致します」と丁重に言いながら、心の中で「そっか、手でも洗えば洗えるのか、逆にね!!」と目からうろこが落ちました。人工知能が発達して、やがて人間を駆逐し始めるなどと、SFじみた話題がありますが、僕は既に白物家電にガッチリ支配されています。
スポンサーサイト



2016-09-06

平成28年度8月号(第60号)

自分だけなのかと思っていたのですが、同類が居てうれしかったという話です。あまり機会はないですが、夕食後満腹になった状態で、スーパーに買い物に行くことがあります。夕食後ということもあり、時間も遅くなっています。買わなければいけないものは買うのですが、そこから、刺身コーナーに回り、寿司コーナーを見て回ります。初めに書いたように、すでにおなか一杯です。それならば、なぜ保存の利かない刺身コーナーや寿司コーナーに行くのか、その目的は、ただ一つ、安くなっているのが見たいのです。半額のシールが貼ってある風景を、眺めたいのです。旅先で川が流れていると、意味もなく覗きたくなるのとは、また違った衝動に思います。地面に穴が開いていて、覗きに行くのは、おそらく老若男女に兼ね備わった、いわば人間のDNAに組み込まれた本能と思います。しかし、それらは、魚がウヨウヨいるかもしれないやら、穴が自分が思っているその3倍以上深いかもしれないなど、自分の目で確かめ納得したいという衝動と思います。一方寿司や刺身に驚くべき結果は期待できません。しかし半額シールが張られた、寿司寿司寿司、刺身刺身刺身を、後ろに手を組んで、ゆっくりゆっくり眺めながら歩きたいのです。見ている対象物を知らないで僕のいつくし様な眼差しの態度だけを見れば、国立博物館で美術鑑賞をする紳士のようにも映るかもしれません。そんな話を知り合いが集まった時にしていたら「よくわからない」とか、「おなか一杯なのに、よく見る気になるね」などと言う否定意見の中、ただ一人O君が意を決したように「理屈じゃねーんだよ」と言いました。O君、お前もか
プロフィール

荒物雑貨屋 森茂八商店

Author:荒物雑貨屋 森茂八商店
インターネットの荒物屋 森茂八商店 平社員のブログへようこそ

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる