2017-06-30
平成29年6月 (第70号)
6歳児が小学生になり、毎朝7時18分に出動していきます。ついこの間まで幼稚園児で、まさか第一小学校迄自分の足で歩いて行くなど、想像もできませんでしたが、一か月経ち登校姿も板についてきました。毎朝送り出した後、窓から、ちゃんと信号を渡れるのか、いつも緊張して見守っています。ちゃんと信号を守り渡っていく姿を見て、いつも頼りないのに、一人になるとしっかりするんだなと感動します。小さい体の上に、ただでさえ大きなランドセルに更に体操着袋を装着し、さながら戦地に向かう兵隊さんのような勇壮な後ろ姿は、頼もしくすら感じます。後ろ姿を見下ろしつつ、思わず「あんなに沢山背負って行くんだな~」と感慨にふけっていると、嫁が「恐竜の本も入っているんだから」と誇らしげに言います。そのドーヨというような言い方は、後で考えたら「重さも重たいんだよ」と付け加えたかったのでしょうが、その時は訳が分からず、このオンナは一体全体何を言っているのだろう?と思いました。帰りは学童保育なので、車でじーじの迎えですが、帰ってくるときは6歳児から朝の雄姿が薄れています。なんだか頼りなさげで、なんか一回り小さくなった気すらします。なぜならば6歳児は毎日何か忘れ物をして帰ってくるため、事実として紛れもなく一回り小さく、軽くなって帰って来るのです。カッパであったり、赤白帽子であったり、宿題であったり。まれに忘れ物がなかったかと思うと、知らない子の宿題ノートを持って来てみたりします。どうしても質量保存の法則に反して朝出た時とは異なる質量となって帰ってくるのです。そんな子供の親だからからなのか、先日は僕が子供を会社に忘れて帰宅しました。僕の場合は出勤時と同じ質量で帰宅したため、物理の大定理には反していないのですが、親としての原則に反していると嫁は言います。再度子供を連れ帰ったら嫁が言いました。おとうさんもうっかりだし、子供もぼんやりだし。それを聞いて僕は思わず、そうだね~「うっかりとうさん、ぼんやり子供、クソヨメ」と言ったら、自分だけジャンルが全然違うと、厳しく叱られ、ストレスからドライアイになりました。
有限会社 森茂八商店 HP
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2017-06-30
平成29年5月(第69号)
我が家で、先日ちょっとした事件が起こりました。毎度の事ながら、お客様に伝えるべきか悩むところですが、どうしても僕には解せないのです。摩訶不思議で大変にミステリアスなのです。どうでもいいと思えば思うほど、やはり何が起こったのか真実が知りたくて仕方がないのです。事件は、またしても7時のNHKニュースの時間です。家族で二日目のカレーライスを食べている時に起こりました。子供たちには、カレー皿とサラダの小鉢がありました。サラダの横には、カレーと同じく昨日の残りのブロッコリーの茎が一本づつ載せてありました。テロ等規制法で国会が荒れているニュースから、パククネ大統領が警察に身柄を拘束されたあたりで、六歳児が言いました。「ブロッコリーをお母さんが食べた」と。嫁は、「なんであんたの食べかけのブロッコリーをとるのよ」と半笑いで返しました。ブロッコリーは、当初サラダの小鉢に添えられていましたが、六歳児がそれの端っこを少しかじり、カレーライスの上に置いたまでは僕も現認しています。それがいつの間にか忽然と姿を消したと主張するのです。当然僕は食べていません。普通だったら一番怪しい4歳児なのですが、子供たちは長テーブルの長辺同士に座っているために、その距離は150㎝です。ブロッコリーまで辿り着くには、僕とパククネの間を匍匐前進で通過し、更にアツアツのカレー鍋を乗り越え、テーブルを縦断しなければブロッコリーの茎には到達することはできません。状況的にはかなり難しいと思われます。それでなくとも、彼は昨日、自分だけ残した筑前煮を罰として「今日食べなかったら明日も出てくるよ」と言われて出され、その蒟蒻の三角形の先端部分を3㎝程度、口から露出させたまま5分以上もパククネを見ているのを僕が横目で確認しているので、いわば完全なアリバイがあるといえます。僕は少し気になったので、とりあえず子供を椅子から下してズボンなどを確認し、それから椅子の下を確認しました。何処にも無いのです。「ないなー」という僕の言葉を聞いた時に、嫁が言いました。「きっとコビトさんだね」と。おう?と思いました。理系の学校で偉そうに先輩風を吹き散らかしていた嫁の口から「コビト」という言葉を聞き、なんだか無性に腹が立ちました。僕は思わずズレた眼鏡を直すと、自然と言葉が出てしまいました。「ジツニオモシロイ」と。実際こんなに不思議なことがあるでしょうか?ブロッコリーは一体全体どこに消えたのか。床に落ちたのを猫が食べたのか?え?猫が?ブロッコリーの茎を?え?猫が?そんなことあります?「真実はいつもひとつ」と高名な探偵が言っていますが、これはかなりの難問ではないでしょうか。怨恨の線も金銭目的の線もありません。なにしろ僕達家族は全員ブロッコリーが余り好きではありません。栄養摂取の為、渋々食べているのです。しかも二日目なので、まだましなアフロ部分は既に無く、茎だけなので、きっと栄養もありません。そもそも子供の食べかけのカレーの付着したブロッコリーの茎などという物は、いわばこの世の中に存在する物の中でも、最もクダラナイ物の一つと言えます。そこから僕は子供を風呂に入れるついでに、裸にし服などを隅々まで探索し、ゴミ箱の中や床も、もう恐ろしくまじめに探しましたが、本当に何処からも出てこないのです。寝る前に嫁に「あれってどういう事だと思う?と聞いてみたところ「あ?何の話?」ともう全然興味すらない様子でした。その後どうなったかというと...結局そのまーんまです。実に面白くもなんともないのです。真実もひとつもないのです。数週間たった今でも、僕は折に触れ、ふっと消えたブロッコリーの茎の事を思います。僕の心のどこかで、コビト?という思いが芽生え始めています。
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