2018-02-01
平成30年2月(第78号)
突然ですが、僕は飛行機が嫌いです。大変に怖いのです。自動車よりも全然大きく重たい飛行機が空を飛んでいるように思うのは、人間の錯覚に違いないと思っています。何かの間違いに決まっていると思っています。それでも何度かは海外に行く為に飛行機に乗ったことが有ります。それは、まさか船で行くわけにも行かず、まさしく背に腹は替えられないという、切実に追い詰められた状況です。だから、たかが東京に行くのに飛行機に乗るという事は、まず考えられない事で、基本的には日本国内であれば、自動車か電車利用しか考えません。だから、あのとてつもなく大きな鉄の塊が空を飛ぶということに、なんの疑問も無く、あっけらかんと東京に飛行機で行く、うちの嫁に連れられて帰京するうちの5歳児、7歳児は、既に僕よりも飛行機に乗った回数は多いと思われます。飛行機と同じくらい怖いのもとして、僕の中では、やはりヒグマです。ツキノワグマであれば、なんか知恵を絞って頑張れば、何とかならなるかもしれないという可能性がある気もしなくもないのですが、ヒグマはもうダメです。全然ダメです。全く勝つイメージが浮かばないのです。目をつぶってシュミレーションしても、やっぱり歯が立ちません。北極熊が最強とデータでは知っていますが、親近感が無いので全く怖くありません。話を戻して万が一の時、車や電車や船であれば、工夫のしようもありそうですが、飛行機は自信がありません。どうやって助かればよいのか皆目見当もつきません。数字的には一番安全な乗り物という事は重々分かったうえで、やはり自分の理解を超えた物は、恐怖を感じます。一番初めに飛行機に乗る事になった時に、友人に飛行機では土足禁止で、靴を脱いで入るというコテコテのガセネタをつかまされ、大恥をかくところでした。このように飛行機は多くの危険をはらんでいます。よく飛行機に乗る友人に、どのくらいの覚悟で飛行機に乗っているのかと聞いたところ、40過ぎてガリガリ君のアタリの棒を引き換えに行く位の覚悟だそうです。結構な覚悟です。 P.S知り合いの知り合いがビットコインの現物を持っているそうなのですがマジですか?
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2018-02-01
平成30年1月(第77号)
お客様宅に車で到着し、そのお宅の前で打ち合わせをする前に、心を鎮め、滑らかに話をするために喉を潤そうとした時、その水筒を持つ手が滑り、股間が濡れた場合急転直下でピンチに陥ります。いわゆる晴天の霹靂という事態です。大体運転席で水筒を飲み損ねた場合に、位置的にも量的にも、かなり見栄えの悪い状態になります。うまい具合にシートを伝いお尻の方までぬれたりすると、中までは染みないものの、見た目上は相当な攻撃力を放つことになります。お客様が到着に気づいてない場合などは、遅刻クソクラエとばかりに車を再発進させ、離れたところで乾かすわけです。しかしお客様が時間通りの到着に気づき玄関灯を点けてくださったり、窓越しに軽い黙礼などを交わした場合などは、もう一巻の終わりです。完全にやってしまったと思われるいで立ちでお客様に対峙することになます。逆の立場で考えた場合どうでしょうか。配達の人でも誰でもよいですが、股間がうまい具合に濡れている大人が、何事もなく入ってきて、ふつうに話をし、通常業務を行った場合、平常心を保つことが出来るでしょうか。これはお客様に対するホスピタリティーを著しく欠いた行為と言えるでしょう。きっと僕だって見て見ぬふりをするのでしょうが、精神的ダメージは甚だ大きいと思われます。しかし僕の年齢になると、このような修羅場は、既に幾度となく潜り抜けています。初めのうちは「そこで水筒の水をやってしまいました」とお客様に見せ、軽い笑いを取っていたのですが、どうもその後お客様から下に見られるような気がします。なぜか作業料金も適正でない気がしてしまったりします。その後はオーバーズボンをはいてごまかしたり、玄関先での話だけの場合はビジネスバックで隠して、帰るときにジリジリバックを移動させ、お尻を隠したり等していましたが、先日とある職人さんに凄い解決法を聞きました。その職人さんの対処法というのは、「より濡らす」という物で、まさしく逆転の発想と言えます。僕には思いもつかない方法でした。つまり水筒のお茶を体全体になすり付け、ズボンばかりか上半身さえも濡らすという物です。「前の現場がアレで」等と訳の分からない事を言いながらお客様宅に入るそうです。僕はコソコソ隠す事ばかり考えていて、いわば逃げのオシッコタレでしたが(たれてませんけど)、その職人さんの方法は、濡れを逆に全面に押し出すという。まさしく攻めのオシッコタレと言えるでしょう。オシッコタレ界のチェ・ゲバラです。きっとこの人は死ぬ時も、前のめりに倒れて死ぬんだろうなと思いました。
2018-02-01
平成29年12月(第76号)
愛車コンドル5号が車検に行ったきり帰ってきません。僕はコンドル5号が無くなると半分くらいです。今コンドル5号の大切さを痛感しています。コンドル5号の無い今の僕は、馬の居ない武豊のようなものです。犬の居ない西郷隆盛と同じなのです。気軽に立ち寄ったお客さんから色の話をされても、コンドル5号があれば大丈夫。すぐにカラードグレーやCUDなど実用的な新色を含む、計632色と、更に「色差見本」の第2弾を収録した、色彩に携わる方には必携のツール日本塗料工業会発行の塗料用標準色ポケット版が、当然のように出てきます。雨が降ればポンチョも出てきますし、蛇に狙われれば、手ごろな棒も出てきます。両面テープも出てくるしバールのようなものも常備しているので、どんな釘でも抜けます。パイプレンチが有るので、結構な円柱でもねじれます。たまに床にある穴の二つあいた10㎝位の金属の何だかわからない金具を簡単に外す名も知れぬ道具も出てきますし、傾いている感じがするときに、垂直を見るレーザーも出てきます。胃薬も頭痛薬も絆創膏も各種電池も携帯の充電器も。いろんな太さや長さのネジだって出てきます。東にはまった車あれば組み立て式スコップも出てきますし、西に動かない車あれば、バッテリーケーブルだって出てきます。よそ行きの靴下と靴も出てきますし、極寒に耐えるオーバーズボンもあります。箪笥を滑らかすカグスベール70㎝タイプも二つも出てきます。無論小さな踏み台だって出てきますし、キイロスズメバチが出たら真っ向勝負を挑むラケットも出てきます。突然集金になっても、ちゃんと結構な量のお釣りも出てきます。水道の蛇口がだらしなくなっても、カツを入れるパッキンも出てきますし、ヒトスジシマカの大群に取り囲まれても、サラッとタイプの蚊よけスプレーも出てきます。しかし、いま代車として与えられた群青色の小さな車からは、何も出来てません。鼻をかもうと思ってもティッシュも無ければゴミ箱もありません。のどがイガイガしても飴もありません。油膜で見にくくてもクリンビューもありません。ジュースを買ったらドリンクホルダーがありません。左手に持ったままです。霧が出てもフォグライトもなく、夜走ると後ろの車のライトに照らされくっきり影が浮かび上がります。ハンドルもヌルヌルデューのです。43歳になり、少しは自分に自信も出てきていましたが、本当は自分には何の実力もないという紛れもない真実を、小さな群青色の車は僕に教えてくれます。名言グノーティ・セアウトン「汝、我を知れ」は古代ギリシャ時代ソクラテスが車検の折に心に刻んだ言葉かもしれません
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