2016-03-08
平成28年1月号社長コラム
旧朝日村の月山朝日博物村にて、恐竜展と昆虫展を交互に開催しており、子供を連れて足しげく通っております。ふれあいコーナーに居るウサギが凶暴で、「かじりますよ」と手を傷だらけにした担当者が笑顔で教えてくれます。蛇もハムスターもかじるそうです。心の中で「かじりますよじゃねーよ」と思いましたが、今はどうでもよいです。そこでフユシャクという蛾が展示されており、そこにそっけなく驚きの生態が淡々と書かれております。初めは気にも留めませんでしたが、内容をよく読んでみると、思わず「マジカ」と声が出ます。その蛾は羽根を退化させてそうです。なぜ退化させたかというと、生活の場を天敵の少ない冬に選んだため、寒くないように羽根を無くしたのだそうです。当社でも稀に会議めいたものを行い、「やはり社会情勢に合わせて変化しなければyes we can!」などと、前の日のニュースで見たことを丸パクリにして物知り顔に会議したりしますが、おそらくこの蛾の羽根を無くす会議は紛糾を極めたのではないでしょうか。きっと若者の蛾が、手だか羽根だかを挙げて「夏場は天敵が多く、めちゃくちゃ食べられるので冬に生息してはどうでしょうか」なんて提案などをしたと思います。いわゆる隙間産業やニッチと呼ばれる、弱者の生き残りの基本です。しかし早くも保守的な年寄りの蛾などが、鼻で笑いながら「馬鹿なことを」とか「最近の若者は」的なニュアンスで否定が入ったでしょう。「さみーよ」などのヤジも飛んだでしょう。人間の会議はこのままうやむやになり、今まで通り当たり障りのない結論に落ち着き、若者たちは飲み屋に流れ、そこで重鎮たちの悪口で「何もわかってない」とどと言いつつ酔っ払い、二次会でお姉さんのいる飲み屋に行き忘れてしまいます。この若者たちがやがて中堅になり重鎮になり「最近の若い者は」などという訳です。フユシャクは違ったようです。さらに一歩踏み込んで、「冬に生きるためには、さみーから表面積を減らさなければならないので、羽根を無くそう」こんな大胆発言が飛び出すと、場はざわざわし俄然盛り上がります。「蛾に生まれた以上リンプンを巻き散らしてなんぼだろう!」などの怒号が飛びます。確かに蛾のアイデンティティーはリンプンといっても過言ではありません。そのリンプンを捨てるという意見は簡単には受け入れられなかったでしょが、スペースの関係でこの蛾のさらなる大決断はまた来年。皆さま、よいお年を
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