2016-12-23
平成28年12月(第64号)
朝からラジオ体操をするような工事現場に入ることがあります。ピカピカの腰袋やヘルメットをしていると舐められやしないかと、疑心暗鬼になり、前の日に新品メットをコンクリになすりつけてベテラン感を出したりします。旅行慣れしているトランクと同じ原理で、色々な現場に出入りするベテランは、ヘルメットに、色々な現場の入場シールが貼ってあり、無造作に剥がした痕等も貫録ポイントを増します。そのため僕などは、ほかのベテランの人から工事の終わったシールを分けてもらって貫録ポイントを上げたり。それでは足りないので、昼に食べた「30パーセント引き」「昼10時に作りました」などのシールをヘルメットに貼り、無造作に剥がすことにより、ベテラン感レベルアップに等余念がありません。工期が緊迫した現場などの修羅場感は、独特の風情があります。今日は地獄絵図と化した工事現場で僕が聞いた、どっかの職人の絞り出すような叫びベスト3を発表しようと思います。基本的にはどの叫びも、寒さ、暗さ、いつ終わるとも知れない恐怖と相まって、精神的に追い詰められた怒髪天の状態だと想像してください。第3位 上山の体育館だったか「さっきがら俺のコンセント抜ぐなだれだー!!」 純粋にコンセントの口が四つしかなく、明らかに職人の数とマッチしていない現場では、自分の工具を動かすためには、他の人のコンセントを抜く必要があります。僕も何度も抜かれ、何度も抜きました。コツとしては遠くの人のコンセントを抜いて、背中に怒気を発しつつ素早く姿を消すことです。コソコソしてると怒鳴られます。抜いたところに自分の工具を刺さず、隣の人のコードと付け替え、空いたところに自分のコードを刺す等、カモフラージュの技術も向上してきます。でも音で誰が抜いたか大体検討付くんですけど。とにかく見つかれば殴られる覚悟でみんな働いています。話は逸れますが、やたら電圧の低い工事現場も切ないものがあります。細々と回る電動工具を見ていると、己の無力さを痛感し、すごくみじめな気分になります。第2位、夜ではなく午前中、確か酒田市の現場で、パートナーを待っている風のおそらく電気屋さんの電話の内容です。「いつまでまたせんなだ...米沢どっ!!」どういう段取りミスがあるとパートナーと150k離れることになるのか…詳細は分かりませんが、「よねざわどっ!!」忘れられないフレーズです。ダントツ第1位は12月24日クリスマスイブの一般住宅、風雪の午後7時過ぎ、いつ終わるかも分からない寒くて殺伐とした現場でしたが、引き渡し期日は明日。突然屋根の上から「あど金なの要らねなやー」という悲鳴にも似た絶叫が聞こえてきました。工期が遅れて滅茶苦茶な段取りで、僕もかなり気分が荒んでいましたが、流石にこれは吹きました。この家で明日施工主の家族がクリスマスの団欒をして笑顔が溢れるんだな~と、その時思いました。経験上、建築物というものは、多くの場合、このようにして作られています。
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鶴岡市住宅リフォーム補助金 まだ間に合います(*・`ω´・)ゞ
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