2019-02-26
平成31年2月号(第90号)
老若男女の心を掴んで離さない寿司について、魚市場のT氏の半ば強要ともいえる要望があり、大人の事情で、断りきれず、ここに書かせて頂きます。一度は断ったのですが、「イヤ、マヂデ」ということでした。段々と書く内容も詳しく指示し始めたので、「もう自分で書けばいーじゃん」と思いましたが、電話での圧力で思わず「ワカリマシタ」と言ってしまいました。大筋で事の経緯を説明します。クリスマス用の寿司やケーキを発注したところ、子供2名を含む4人家族に、わさびギンギンの3人用の寿司が届いて、翌日返金してもらったという話です。差額でよいと言ったのですが、結局寿司を食べ、後に全額返金を頂いたので、とりあえず恐縮する話です。誰もが年末の混乱の中、一生懸命やっている中で起こることなので、誰が良いとか悪いとかいう話ではないと思います。そう、初めから悪い人なんていないのです。でも、しかし、あえて、どうしても一人必ず悪い人間をあげろと言われれば、僕はそうは思いませんが、一般論として、あくまで一般論として、やはりどうしても僕からお金を受け取って商品を届けてくれた魚市場のT氏の線が一番濃いわけです。その悪人疑惑筆頭たるT氏が、悪人がいるのであれば被害者であろう僕の、それも会社のコラムに事の顛末を載せつるよう執拗に迫る訳です。一体これは何だ?という疑問が消えません。しょーがないので、とりあえず詳しく経緯を説明します。ことの異変は5日程前にさかのぼります。7年前から入会している世界サンタクロース連盟(WSA)系の日本組織である全日本サンタクロース協会、通称NSKの下部組織である一般財団法人東北サンタクロース協会山形ブロック鶴岡支部本町ニ丁目西部担当会員の一員である僕に、今年も指示書が来て、言われたとおりの仕入れをしました。そこまでは良かったのですが、その後子供の手紙を発見しました。指示書とは全く異なる要望リストが、たどたどしい字で一生懸命切々と書いてあります。「俺に渡されてもしょうがないから、窓に貼っておきなよ」と言いながら、気が滅入ります。サンタにも事情があるんじゃ無い?などという言葉も力が入らないため、声量が足りず子供の耳に届きません。追い打ちを掛けるように、22日に行われた英語教室のプレゼント交換会で、子共達が、僕が指示されて仕入れ済みの品物を持ち帰って大喜びで遊んでいます。ダダかぶりです。更に気持ちは沈みます。気を取り直して、かねてより発注していた寿司を囲んでクリスマスイブという事になりました。そこで満を持して食卓の真ん中に現れたのが、各種類3個ずつ入った寿司です。9種3個で計27個。4人で割ると一人頭6.75個という事になります。回る寿司で言えば3.375皿分です。量は同じだから卵入りの安いのにしなよ平民なんだからという僕の意見を袖にし、写真のウニ軍艦に魅入られ、奮発して年に一度の贅沢と貴族用の寿司を発注した嫁も、ウニが無いことに気付くと顔を曇らせます。仕方がないので、僕だけ白ごはんで食事を食べ始めた時に、わさびギンギンの直撃を受け、下の子が倒れました。その後僕も白ごはんでお腹がいっぱいになった頃、一生懸命わさびを取っている脇で他のものを食べていた子どもたちがお腹いっぱいになり、寿司は半分残りました。時刻も遅くなりクリスマスケーキも食べないということになりました。翌朝変色したカチカチの寿司を一人で僕が食べていると、子どもたちがプレゼントを抱えて起きてきて、パッケージを少し破ってダダかぶりを発見し、途中で開けるのをやめ部屋の隅に移動して、コソコソと話をしていました。「ぜんぜん違うね」というつぶやきのような言葉が、茶色い中トロをつまんでいる僕の背中に突き刺さり、茶トロが喉に詰まります。会社で笑い話でその話題を出すと、取り次いだスタッフ経由で、魚市場のT氏の耳に入りました。T氏は伝票を精査し、自分サイドに否がないことを幾重にも確かめると、むくりと鎌首をもたげ、全然関係のない日頃の鬱憤を全て込め、満を持して元請けに対し、わざわざ僕の実名まで出して猛抗議してくださった結果、全額返金して頂きまして本当にありがとうございます。とうい訳で本年も宜しくお願いいたします。
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