2019-03-27
平成31年4月号(第92号)
右手人差し指の指先の背中がチクチクして、先の方から撫でてもなんでもないのに、反対から撫でると、チクチクします。じっと見るのですが、なんかよくわかりません。なにか指紋の間に小さな黒い点があるような気がして、触ってみると何ともありません。しかしもう一度なぞってみると、やっぱりチクチクします。とても不愉快です。電気スタンドをつけてじっくり見てみます。なんだかもやもやします。眼鏡をはずすとくっきりと見えます。キウイの毛みたいなのが刺さっているのが見えます。老眼になったと言ったら、脇で聞いていた6歳の子供が、老眼で死んだら、頑張ってお墓を立ててあげると言いました。なるほど、どのように自分が死ぬの判りませんが、老眼で死ぬのだけは勘弁です。大した人生ではありませんが、例えば今から挽回して、すごく頑張ったとして、なんかプチ偉業を成し遂げ、ちょっとした有名人になったとします。中年過ぎに努力をして失敗を重ねてついに成功しました、みたいなことに、たとえなっていたとしても、結局紆余曲折あって、最後の最後には「老眼により没」と刻まれるわけです。死に際に「もっと光を!!」みたいな、なんか良く解らないけど意味深そうな事を言っても、結局「老眼により没」です。年譜の最後の一行が強烈すぎて、結構頑張っても大抵なことは薄れてしまいます。「老眼により没」が、みんな持っていってしまいます。冬の横断歩道の白い所のツルツルで死ぬのは嫌だなと、かねてより懸念しておりましたが、老眼で死ぬのは、それの何倍も嫌です。たとえば僕が死んだら、そっと忘れてほしいのです。でもそんな気持ちとは裏腹に暫くは、どうして死んだの?と話題になるでしょう。顔の認識もおぼつかない子供の同級生の親なども「老眼で死んだらしいよ」「うそっ!!」などと学童の前で井戸端会議の主役になると思うと、本当に情けなくなります。残された嫁は、なんというでしょう。「老眼で死んだというと笑われて恥ずかしい」という理由で、まず怒るでしょうね。「なにしてくれてんだ」と。「同情されにくいわ」と。老眼死を伏せて、病死とするのでしょうか。事故死じゃないですよね。病死なんですかね老眼で死んだら。老眼は病気ですか?変死か怪死かわかりませんが、保険下りますよね。警察は来ますか?それとも病院に運ばれてなんかされますか?臓器は全部提供するに丸を付けていますが、アイバンクはやっぱり駄目でしょうね。悪いことだけ考えないで、良いことがないか考えてみます。僕の知る限り、僕以外で老眼で死んだ人はいません。いやまだ死んでいませんが。「まだ」も変ですね。とにかく老眼で見えにくくて死んじゃった人は、数多くいると思いますが、直接の死因というのは、世界広しといえども、僕が初めてではないでしょうか。それは自慢できますか?できせんね。やっぱりろくでもない死に方です。前からスズキメガネさんに早めに老眼鏡を作って練習しておいた方がよいと言われていました。早速スキップしながら遠近両用を作りに行くと、なんと長期休業になっています。高校生で初めて眼鏡を作ってから一度も他に行ったことがないので、どこに行けばよいかもわからず、近くの物とか、将来とか、色々なものがぼんやり霞んでいます。7年半に渡り、一貫して特に役に立たない情報を流して来た茂八通信ですが、コラム自体はその時の思いつきですが、近年の働き方改革、人手不足問題などの影響で、制作スタッフの負担も大きくなってきておりまして、ろくろく校正もせず発行している状態でした。体制を整えるまで、暫くおやすみさせていただきます。ご理解、ご指導、ご鞭撻、ご注文の程 よろしくお願いいたします。
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